海外にいた怒りオヤジ

俺が東南アジアでボランティアしてた時にいたジジイ、こいつが最悪だった。
優雅な早期リタイア組ではなく、こいつも俺と同じボランティアとしての渡航者だった。
何かあるごとに「日本人として?」と怒鳴る。
何が日本人としてだ。だらしない日本人はいちゃいけないのかよ?
他の日本人が迷惑を被るだ?知らねぇよ。と俺は思っていた。

このジジイを観察していると、何故か日本人だけ執拗に怒っている。
昨日はオフィスの机に突っ伏して寝ている女の子を怒鳴っていた。
怒鳴るってのが最悪だ。「何やってんだ君は!誰も寝てないだろう?!」という感じで奴は吠えた。
現地人も日本人もただただびっくりしていた。

俺は、疲れて地べたに座っている時に「恥ずかしくないのか?」と怒鳴られた。
すると、現地人同僚がやってきて笑顔をかわすや、俺の隣に坐った。
ジジイは無言で立ち去ろうとした。

その時、俺の中の何かがキレ、吠えた。
「おい、こいつはいいのかよォ!?地べたに坐ってンぞ?あ?!」
ジジイはびびっていた。今まで誰も言い返す奴がいなかったのだ。
言ってはいけない、暗黙の了解を俺は破った。ジジイを糾弾した。
すると、日本人、現地人の拍手が聞こえてきた。

数日後、帰国の途につくジジイの姿があった。
こいつは、狭い島国の価値観を外国人に押し付けにやってきたのだろうか。
それと、ジジイは自称ベジタリアンだった。
食事に肉が紛れているという理由で現地人を怒鳴っていた。
俺には異文化理解よりも、世代の違う同胞理解のほうが倍以上に大変だった。